1.台風襲来
それは台風21号の発生と前後して始まった。

今回の旅は決まるまで随分時間がかかったのだ。それというのも、もちろんあのくそテロリストのせいであるわけだけれども。いくつ海外旅行計画がつぶれたことだろう。行き先の決定だけでこんなに難航した旅行は生まれて初めてに違いない。

計画でこれだけ苦労すれば、実際の旅行は案外すんなりいくのでは無いかと思ってた。が、世の中そんなに甘くない。

僕が飛行機に乗って一路鹿児島を目指したのと同じ頃、南の海ではすでに季節はずれとも言えなくも無い台風21号が発生していたのだった。 
2.あこがれの屋久島
旅行好きの皆さんならかなりの人がすでにご存知だろう。

屋久島は日本で最初にユネスコの世界自然遺産に登録された場所である。世界遺産は自然以外に建築物や遺跡等を対象にした世界文化遺産というものがあり(自然と文化を合わせた複合遺産っつうのもあるらしい、マチュピチュとか)日本では法隆寺や白川郷の合掌造などがそれにあたる。日本では文化遺産に比べて自然遺産の数が少なく、現時点で2地点しかない。一つは屋久島でもう一地点は青森の白神山地である。

屋久島は背の高い島で、あの狭い島土に九州最高峰の宮之浦岳を筆頭に1000mを越す峰がごろごろしている。また非常に雨の多いところとしても知られ、その多さは「一ヶ月に35日雨が降る」と言う言葉で形容されている。これら屋久島独自の特殊な環境がこの島固有の自然環境をはぐくんでいったものである。

ま、堅い理屈は抜きにして、この台風と一緒に始まったあこがれの屋久島の旅、鹿児島からの最近じゃあんまり見かけないプロペラ機が屋久島空港に降り立ったところから始まるのである。
3.なにはともあれ宿探し
屋久島に着いたのは14時過ぎ。
 
屋久島に行くことを決めたのが出発日の2日前なのだから、旅行ガイドはろくに読んでないし、もちろん何の手配もしていない。屋久島には宮之浦と安房という2つの大きな(といってもたかがしれているが)集落があり、さしあたりどちらかに今日の宿を探さなければいけなかった。

考えていてもしょうがないので、少し贅沢をしてタクシーに乗ることにした。タクシーの運ちゃんからネタを仕入れようと思ったのである。タクシーの運ちゃんは頭がかなりはげた人の良さそうなオヤジだったが、なかなか話し好きで、こちらの質問にも機嫌よく応えてくれた。

「明日は縄文杉に登りたい」これが僕の頭で唯一はっきりしていたイメージだった。町は宮之浦の方が大きいが縄文杉の登山口(荒川登山口)には安房の方が近い。結局運ちゃんのすすめに従い宿は安房にすることにした。宿は運ちゃんが無線を使ってその場で手頃な宿を手配してくれた。

しかしタクシーのメーター、上がるの早い早い。いわゆる島内レート?タクシーは極力使わないようにしようと思った。
4.安房の町
宿に荷物を下ろし、ほっとしたところで中途半端な時間だった。それに明日からの計画に目星をつけておく必要があった。僕はすぐ近くの観光案内所にでかけた。
 
観光案内所のおばさんは、なかなか体格の良い人だったが、とても親切でこちらの質問にもうるさがらずに丁寧に応えてくれた。

ここでいろんな情報を仕入れているうちにやっと頭の中で今後の行程がまとまってきた。九州最高峰宮之浦岳
もがんばれば日帰りで行けるらしい。利尻富士に登った僕としては、これは思わず食指が動くアイデアだ。

映画「もののけ姫」に出てくるあのうっそうとした森。そのモデルになったところが屋久島にあるという。白谷雲水峡といってだいたい半日コースでまわれるという。宮崎ファンとしてはこれもはずせないポイントだ。

だいたいの行程を固めて、機嫌よく案内所を後にした僕は、残った時間で安房の町を散歩した。小さな町だった。
安房の港より山並を臨む
雲行きがあやしい

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屋久島出身の著名人の碑
屋久島−鹿児島航路のターミナル


屋久島

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