1.モシから | |
無残に敗れ去った登山のショックを振り払い(といってもある程度納得はしてたのだが)、迎えにきたドライバーと一緒にモシのホテルを出発した。 最近、タンザニアのあの界隈じゃ、中田よりも京都よりも有名な日本語がある。それは「KOUNOIKE(こうのいけ)」。日本の援助で、この国の道路の舗装等をやってるのが鴻池組なのだが、その看板は至るところに出現する。当然地元の人もその名はよく知っていて、「いい会社だ」を連発する。そりゃそうだ。でも、それ造るにはうちらの貴重な税金が使われてるんだぞ。ちょっと複雑。 そんなわけで、われわれはモシからアルーシャを抜けて、一路ンゴロンゴロCAを目指したのだった。、 |
2.ひたすら悪路 | |
運転手は名をコンベといった。変な名だと思ったけど、あのへんじゃよくある名前だそうだ。なんというか顔つきが自信家。悪く言えばそのへんのごろつきっぽい顔(笑)。彼の運転は期待を裏切ることは無く、かなり高速&強引。ま、いいんだけどさ。ちなみに日本語はしゃべれない。 アルーシャを過ぎ、マニアラ湖近くまでは、快適な舗装道路が続いたのだが、タランギレ国立公園に向かう道との分岐点あたりで、未舗装道路になった。この道がかなりの悪路。スピードも一気にダウンする。 実は今、ンゴロンゴロに向かうこの道は急ピッチで舗装工事がすすめられている。これもやはり日本の援助、請け負ってるのは鴻池組。なんかたたけば埃が出てくるんじゃないのか?この関係は。もっとも地元の人の生活道路より国立公園のアクセス道路を先に整備するあたりには、先進国のエゴがちょびっと感じられる。 その舗装工事をうらめしげに眺めながらその両脇の悪路をひたすら進む。 |
3.ンゴロンゴロ自然保護区 | |
やっとのことでゲートまでたどりつき、そこでコンベが用意してくれていた弁当を食った。完全に西洋風のサンドイッチやチキンなど。なかなかいけた。シドとてだてにいろんな大陸まわってない。体調が良ければ順応性はあるのだ。 公園入り口のゲートを抜けて、ンゴロンゴロ自然保護区の南側の道を行く。程なく見えてきた展望台とおぼしきポイントで、車を止めてクレーター内を見下ろした。 「すごい・・・」これがンゴロンゴロだ。地上にあいたでかい大穴は確かにインパクト十分。この中に世界とは切り離された独立生態系が息づいてるのだ。ところどころで煙が上がってるのは、人間が意図的に焼いてるとのこと。 |
4.オルドバイ渓谷 | |
クレーター内部へは明日のお楽しみということで、そのままクレーターの南のへりを走りつづける。そして隣接するセレンゲティ国立公園に向かう道をすすむ。 オルドバイ渓谷。人類発祥の地として認知されているポイントだ。1959年にリーキー夫妻が、ここでアウストラロピテクスのを発掘したことで、定説となった。180万年前と言われてもぴんと来ないが、なんだかすごいということだけはわかる。 ちっぽけな資料館と併設する土産物屋、あとは時間を経て風景に溶け込んでしまった、発掘現場のみ。人類発祥を記念するにはあまりにも貧弱な施設だが、意外にもここは僕の気に入った。 |
5.生まれ出でたるもの | |
何にも無いことが良いこともある。資本主義に魂を売り渡したマサイ族も、ここでは大して寄ってこなかったし 、ほとんど人がいなくて、のんびり見学できた資料館も良かったが、何よりこの峡谷を吹きぬけていた風が心地よかった。暑すぎない、とても穏やかな温かい風がいつも吹いているのだ。インカの遺跡めぐりをしていたときに吹いていた風のことを思い出す。 人はここから生まれてそして世界に散らばっていったのだ。今の説は今後新発見によりひっくり返る可能性も大きいらしいが、そんなことは大して問題では無い。僕には人がここから始まったということがとても納得できた。こんな穏やかな風の吹く大地から誕生した僕達は、たぶん大地の限りない祝福を受けて生まれてきたのだと思う。 この星を大事にしなくちゃいけない。ガラにも無くそんな壮大なことを考えていた。 |
6.ワイルドライフ・ロッジ | |
今日の泊まりはンゴロンゴロワイルドライフロッジ。見事に西洋風だった。ンゴロンゴロは世界遺産指定も一番早かったし、他の自然公園に比べても別格の趣があるらしい。 建物はかなり年季が入っていたが、各客室はすべてクレーター内部の方を向いていて、その巨大な窓から一望することができる。この風景だけでも一泊の価値はあると思う。 でかいロッジなのだが、珍しく日本人は少なかった。夕食までロッジ内をいろいろ散策し、展望台からの風景を満喫した。実はこのロッジ付近は高度が2700mもあり、はっきり言って寒い。だんだん暗くなってきたこともあり、ほどほどのところで部屋に戻り夕食まで休憩した。 |
タンザニア
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||