7.into the space
バイヨンからバプー・オンへと向かう。
バイヨンが仏教なのに対し、こちらはヒンドゥー教の寺院だ。クメール王朝は王によって仏教かヒンドゥー教か、信仰する宗教が異なっていたため、仏教寺院とヒンドゥー教寺院が複雑に入り乱れている。
 
バプー・オンは現在修復作業中なので中に入ることは出来ない。僕は、石が散乱している遺跡脇を通り抜け、そのままピミアナカスへと歩を進めた。 

ピミアナカスとは天上の宮殿の意味。この余り大きくも無い寺院はどうやら天上界と俗世を結ぶために建造されたようだ。
 
階段というよりでっぱりの集まりと言った方が適切そうな急な階段を駆け上がるとあたりの風景が良く見える。

バイヨンに比べればぐっと人の数も少ない。僕はここでしばらくの時間を過ごした。午前とはいえカンボジアの日差しは強い。だがここには豊かな自然がある。木々の緑は暑さまで吸い取ってしまうかのようだ。
8.象が戯れる午後
ライ王のテラス、さらに象のテラスへと移動する。

ライ王のテラスは内側の壁の外側に新しい壁が立ちその間が通路になっている。壁のレリーフが見事だ。その名のとおりライ病にかかった王のためのテラスであると言われている。

狭い通路を抜けると続いて象のテラスが現れる。テラス前の広い前庭に象を集めてイベントを行っていたらしい。壁面には象とガルーダの彫刻がいちめんに彫りこまれている。

あざやか緑の広場を前にして、僕の心には12世紀の象が戯れる風景が浮かび上がっていた。
修復中のバプー・オン
バイヨン、その偉大なる姿に
9.午後の散歩
昼食を済ませた僕は、ふらりと市内へ散歩に出た。シェムリアップ市はそれほど大きくは無い。だがそれでも歩き回るには相当な広さだ。繁華街を歩く僕の頭に、容赦なく夏の太陽が照りつける。

オールドマーケットは街の南側にある。市民の台所を支える大切な市場だ。土産物屋などもこの界隈に固まっている。

僕は何を買うでもなくやみくもに街を歩き回った。それはたぶん異邦人としてではなく、少しでもこの街の雰囲気に溶け込みたいという気持からだったのかもしれない。

見れば見るほど穏やかなこの街に数年前の内戦の傷跡などみじんも感じられないように見える。そうやって歩いているうちに、僕の心にあるものを見たいという衝動が走ったのだ。 
見事なレリーフ,、ライ王のテラスにて
街の風景
中央塔付近の回廊
よく見ると象の鼻の形だったりする
川で洗濯していたおばさんたち


アンコールワットへ

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