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(1) カンプ・ノウでクラシコ
1.プロローグ
  最初はベニスだった。

3月のフィレンツェに味をしめた僕は、11月後半の祝日を使ってまたもや「限りなく4日、ヨーロッパ弾丸ツアー」を目論んでいた。一番候補はベニス。早く行かないと沈んでしまうとか言われているところである。順当に行けばそのまま決定だったのだが、ある日何がきっかけだったか思い出せないが、サッカーも良いなぁとリーガ・エスパニョーラのスケジュールをネットでチェックしていたときだった。マドリッドかバルセロナかの選択ではあったが、他の観光要素も考えてバルセロナのチーム、そんなわけで好きなロナウジーニョのいるFCバルセロナの11月の試合スケジュールをチェックしていた僕の手が止まった。

11月21日、リーガ第12節、僕の旅行とタイミングぴったりの試合日の対戦相手とは、「REAL MADRID」そう、他でも無い、あの銀河系軍団と言われている白い奴らだったのだ。FCバルサ−レアル・マドリード、リーガのカードの中でも「クラシコ」と呼ばれ珍重されている因縁の一戦である。

その瞬間ベニスが吹き飛んだとのは言うまでも無い。
2.カンプ・ノウへの道
  試合は通常は日曜日なのだが、マドリッドやバルセロナのように一都市に2チーム以上が存在し、同一週に両チームともホームゲームを開催したりする場合は片方のチームは土曜日に試合するそうだ。今回はバルサが20日。そんなわけで試合は今夜に迫っていた。日本でチケット手配すると定価の5倍ぐらいは取られると聞いたので、ネットでの情報収集をふまえ、当日券かダフ屋に的をしぼっていた。

前夜、仕事が終わってから成田に直行し、ここに至るまでずっと移動しつづけてきた。バルセロナの空港に着いてから、ホテルにも行かず重い荷物抱えて鉄道でサンツ駅に出て、そこから地下鉄に乗り換え、カンプ・ノウに直行。おかげでカンプ・ノウには20日朝9時半頃着いた。

ネットで場所を確認していた当日券売場は、しかし迷うことなんてまったく無かった。すでにたくさんの人が長い列を作っていたから。当日券は日曜なら11時発売だが、土曜日だと何時からなのかは把握してなかった。でも、まだ発売は始まっていないようだ。僕は最後尾と思しきところに並んだ。カウンターのある建物まではすでにけっこう離れていた。「厳しい争奪戦になりそうだ」不安が僕を包み込んだ。見る間に僕の後ろにもどんどん人が並び始めた。日本人もたくさんいた。
3.当日券売場にて
  かれこれ30分ぐらいもそうしていただろうか?突然前方の方で歓声が起こった。何が起きたのかよくわからなかったのだけれど、たぶんたくさんあるカウンターの一つが空いたんだろうと思う。並んでいた人垣が突然崩れ、みんないっせいに走り出した。こういうとこラテンやねぇ。こうなるともう無茶苦茶。僕も重い荷物を抱えて走った。

でもそのときの動きはデマか何かだったようで、結果として前売券売場の前に無秩序な黒山の人だかりと、怒号と罵声がとびかう修羅場ができただけに終わった。どんどん収集のつかない状況になってきて、僕は荷物を握り締めて立ちすくむばかりだった。なんとなく、カウンター際に立っていたほうが良い気がしたので、壁際に張り付いて立つようにして、あとはこの事態がどういう風に収拾されるのだろうと、半ば放心状態でぼけ〜っと眺めていた
当日券売場の様子。右側の縦の黒いライン(金網だったかな?)ごとにカウンターが設置されてるのです。これはすでに少し落ち着いた後。
4.幸運
  カウンターは左の写真で見てもらえばわかるように、狭い間隔で小さい窓がずらりと並んでいるのだが、そうこうしてるうちに前方の一つが開いたらしい。人がそちらに向かって殺到した。僕はそのとき、数あるカウンターの一つのすぐ前にいたのだが、「どうせならこのカウンターがあかないかな」とか思いながら、状況を見つめるのみだった。そのうち、もう1つか2つほどカウンターが開き出したかもしれない。歓声がどんどん大きくなってきた。

会社終わってそのまま10何時間もかけて、やってきたバカな中年日本人を神様も哀れと思ったのだろうか?その混乱の中で、突然僕の目の前のカウンターが開いた。わっと群がってくるあつかましいスペイン人ども、だが、位置取りがドンピシャだった。

出された席種表はさっぱり意味がわからないのに、むやみと種類が多い。もうちょっと調べておくんだったと後悔したが後の祭り。後ろから急き立てられるし考えてるヒマも無い。とりあえず一番高そうなのでも125ユーロに見えたので、一言「mas caro(一番高いの)」その通り一番高い125ユーロのチケットを、つごう30秒ぐらいでゲット。あまりにもあっけなかった。もちろん目立たないように小さくガッツポーズ。
こっちの方がわかりやすいね。石のでっぱりみたいなところが窓口。とても小さい。
5.最初のガウディ
  そのまま帰るのも何なので、カンプ・ノウに向かって歩いてみる。試合は夜だがオフィシャルグッズの販売所やバルサの博物館などもあるので、すでにたくさんの観客がいた。この時間帯は練習にやって来る選手を見られる楽しみがあるので、車の進入路のあたりには人が群がっている。

さすがに選手を待つほどヒマでは無かったし、何より重い荷物にうんざりしていたので、ほどほどに見たところでいったん撤退することにした。いったん駅の近くにまで戻ったが、近くにガウディ建築物グエル別邸があるのはチェックしていた。ちょっと迷ったが、場所的にまた見に来るのが大変そうだったので、もう少し重いのを我慢して、そっちに行ってみた。

建物はすぐに見つかった。今は大学の一部になっているそうで、門は閉まっていた。もっともこの門が「ドラゴンの門」と呼ばれ、文字通りドラゴンの装飾で有名なのだが。場所が市街地から離れているせいか、観光客もほとんどおらず、一通り外から眺めて満足。今度こそ本当にホテルを目指した。
有名なドランゴンの装飾
カンプ・ノウの前の通り
オフィシャル・グッズ売り場

バルセロナ

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