9.リベンジ
最初の大爆発のあと、小康状態になった。今日のオーロラは非常に活発に活動していて、小さいオーロラが消えたと思えば次のが現れる。休む間もない。

オーロラの活動に度肝を抜かれたロッジの僕も含めた泊り客達は、一度部屋に戻り、戦闘態勢(つまり防寒態勢)を整えてスキーランドに移動した。今日は着いてもヒマをもてあますことは無い。

23時ごろにバス4台で再び団体さんが到着。今日は早々にオーロラが出ていることもあり、誰の顔も一様に明るい。そういえば昨日はお通夜みたいだったが。

オーロラの次の爆発は0時頃起こった。南側の一角から沸き起こった雲のような影は見る間に空を突っ切り一条の線を描いた。そしてその線から拡がりを見せ始める。色は先ほどの方が良かったような気もするが今回は場所を変えているので展望がいい。そこかしこでにぎやかに動いている。

建物内で待機していた人もぞろぞろ出てくる。周辺は大変な賑わいで、みんなしてこの壮大な天体ショーに見入っている。最初にオーロラが沸き起こったあたりの空は特に動きが活発で「もこもこ」といった形の活動が続く。小さいカーテンは随所に出いていてそれがゆらゆら動くさまもはっきり見えている。一発目ほどで無いにしてもこれもなかなかすごい出来だ。
10.スキーランドの夜は更け
3度目は団体客が引き上げた2時過ぎごろ。始まったのは2回目と同じ南の空から。 今回も一本のスジが北の空に向かって走る。だが、その後の展開が少し違った。頭の真上から両側にかけて2本の巨大なカーテンが下りたのだ。動きはそれほど激しくない。でもそのあまりにも美しすぎる2本のカーテンには、ただただ息をのんでみつめるしかなかった。とにかく形が美しかった。

この日、大きなものはこれが最後だった。3時前頃にロッジに引き上げた。夢を見ていたようだった。ベッドに入ってもなかなか寝付けなかった。

かすかに雲の切れ間が

8.奇跡が
犬ゾリが終わる頃うれしい兆しが。なんと雲の一部が切れて青空がのぞいていた。これは期待はたかまる。だが、まだまだ分厚い雲が。とりあえず夜に備えて一眠り。

起きたら奇跡が待っていた。なんと一面の星空。完全に快晴。これには驚いた。星が輝いている。その輝き方は桁はずれだ。天文ファンにはこたえられないポイントだろうなぁ。

こうなると夕食のときもみんな気もそぞろだ。ここフェアバンクスでは晴れさえすればたいていオーロラがでる。外が気になって仕方ない。デザートになるとみんな外へ確認に行く。

その気持ちが通じたのか、戻ってきた人が「うっすらと出てますよ」座っていたみんなが一斉に立ちあがり外へ出た。

見ると確かに空にうっすらスジのようなものが。それがしばらくあれだこれだといってるうちにいきなり発達し始めた。一気に空いっぱいにはじけ空をうめつくす。そして激しく動きはじめる。まるで吸い込まれるかのように、地上に降りてくるかのようにカーテン状のひだがひらめいている。オーロラが見えるといっても程度には随分差があるのだ。このときのはかなり良質の一本だった。

人間、ほんとにすごいものを見たときに涙を流すというが、これはまさにそんな感じ。あまりにすごすぎて僕は今にも泣きそうだった。


アラスカ・オーロラ旅行記

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