25.さらにもう一度 |
すでにブレークアップは2回。一回は車の中だったが、さすがに収束が近づいているようだ。しかも悪いことに再び雲が濃くなってきていた。 だが、オーロラは最後のプレゼントにもう一度ブレークアップを決めてくれた。ベテルスで見たオーロラの中では去年を含めてもこの日のものが最高だった。 思い残す事無くシャッターを切りまくる。最終的に36枚撮りを3本。おかげで同じようなオーロラの写真ばかりだったが、高い機材持ち込んで臨んだだけのことはあったようだ。現像したら去年より格段に良い写真が出来上がってきた。 雲がだんだん濃くなっていく。最後のブレークアップが収束する頃。空の星はほとんど見えなくなり、そして興奮の夜が終わった。 |
23.撮影大会 |
後はカメラを持っての大(二人だけだが)撮影大会となる。 なにせ重い目をして持ってきた一眼レフ(+三脚)はここまでただの一枚も写真を撮ってなかった(デジカメ使用)。やっと使えるのだ。フィルムは余るほどあるので、シャッター速度を変えて撮りまくる。カメラはミノルタのα−7。もろ電子系だが、祈るような思いでシャッターを切る。デジカメと違ってその場で成果を確認できないところが辛いところだ。 最初のオーロラが収束するまで、それなりに長かったが、気持ち的にはあっという間だった。 |
24.日本人拉致事件 |
いったんロッジのロビーに戻って休息していると、いきなりドアが開いてピート他数名がどやどや入ってきた。みんな酔っぱらっている。何が起こったのかと思ったが、わかりづらい英語を聞いていると、どうも「ここは村の明かりが邪魔になるからオーロラのよく見えるポイントに連れて行ってやる」と、言っているらしい。 |
26.そして夜が明けた |
翌日は土曜日で、ロッジはピートとトム以外誰もいない。トムは長身の若者で、いつもロッジにいるのだが、無愛想なのであまり印象に無い。でもこの日は珍しく自分からJESさんに「二日酔いじゃないか?」と聞いていた。無愛想なのはどうも人見知りが激しいだけらしい。 朝食を食べたら、ピートは昨日訪れた凍った池にもう一度連れて行ってくれた。夏には水上飛行機の発着場になるそうだ。夏のアラスカは冬など比較にならないくらいたくさんの人々が押し寄せる。アウトドアライフの聖地なのだ。 「この山のずっと向こうがバローだ」 ピートさんの声に遠い山脈をじっと見つめていた。 |
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