21.焦燥 |
ピートはあいかわらず元気だ。夕食も2人だけでぐっと寂しくなってしまったが、こういうのも悪くないものだ。意外なことに天気はだんだん回復し始めていた。 今日は金曜日でピートには村人達からお誘いが来ているようだ。早く開放してあげようと夕食が終わってすこしくつろいでから僕たちはオーロラロッジの方に引き上げた。夜9時過ぎ、空はかなり星が見れるようになっていた。「これは」と思わせる天気だ。 「とにかく晴れてる間に一回でも」という願いもむなしく、夜0時をすぎても一向に変化の兆しがなかった。まだまだ部分的に雲の濃いところがあり、今は晴れている空がいつまた曇るかと気が気で無い。 0時半ごろそのとき外に出ていたJESさんが中に入ってきた。 |
19.犬ゾリ |
一年ぶりの犬ゾリ。 昨年もやったのだが、縁起物ということで今年も挑戦する。 ハスキー犬というのは見た目はいかついが、とても人懐っこい。その中から選ばれた?犬たちがソリにつながれていく。 前回同様、新雪が積もっていたが、スピードは今回の方が出ている気がした。しかし寒い。風を切ると体感温度はぐっと冷える。地肌を出してると凍りそうだ。 全部で6頭の犬が引くのだが、うちのソリは真中の2頭の仲が悪く走りながらケンカを始めてしまう。おかげで他の2台とはだいぶ離されてしまった。 前回は操縦台に立たせてくれたのだが、今回はそれが無かったのが残念だった。しかしこいつら相変わらず走りながらクソをする。前回以上にやる。とにかくぼこぼこ落としまくる。まったく・・・・ |
20.状況は? |
さてさて天気はというと、昼頃には晴れ間も見え出し、奇跡を望めるのでは無いかと期待をもたせたが、すでにこれまでも何度も期待を裏切られているので、諦めとも悟りともつかぬ気持ちがそれほど気持ちを湧き立たせない。犬ゾリの頃には晴間も見えていたが夕方には再び雲が空を覆い始め、「やっぱりな」とだいぶ物分りが良くなっていた。 |
22.歓喜 |
「あれそうじゃないですかね?」 「どれどれ?」 一緒に外に出た。 北の空に一本の線が真横に走っている。まぎれもない。 「オーロラだよ、間違い無い。」 抑えようとした声がかすかにうわずった。 最後の最後でついに真打登場ときた。気をもたせるオーロラさんだ。条件は万全とは言えないが文句は言うまい。オーロラは次第に活発に動き始め、みるみるうちに大きく成長を始めた。2段になり激しく広がっていく。 今回始めて見るまともなオーロラだ。僕たちは絶句したように空を見上げている。 |
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